SWAT_SW972S-MLのインプレッション<天龍TENRYUテンリュウ>

タックル
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にゃがともです。

 

ブランジーノEXが不慮の事故で折れてしまったので、NEWロッドを導入してみた。

SWAT-SW972S-ML 

初めての天龍ロッド。

このメーカーの特性としては曲げて獲るロッドとのことで、にゃがともの好きなヤマガと同系統なのでは?ととても期待して購入した。

 

この記事では、それまでメインで使用していたブランジーノEX AGS 97ML/Mと比較してどう感じたかについて書きたいと思う。

 

スペック的な部分

ロッドのスペックを見て気になっていたのはその重量。

SW972S-MLの重量は171gで前任のブランジーノEX 97ML/M(126g)と比べて45gも重い。

なので、扱い辛さを感じるのでは?と当初は心配していた。

 

スペックだけでみると、多くのアングラーがSWATの重量にネックを感じているのではないだろうか。

 

確かにブランジーノEXと比較すると軽快感や操作性は劣る。

しかし、ロッドバランスの良さなのか実釣レベルにおいては特段気になる程では無かった。

同じく重量が気になっている方は、ブランジーノEXのような本当にシャープでシュパシュパ系のロッドを期待しない限り、特に問題にはならないのではないだろうか。

 

それより、ブランクスの繊維素材がカーボン96%、グラス4%ということで耐久性も考えられた仕様になっている。

ブランジーノEXのようなカーボン100%のロッドと比べても不慮の事故による折れは少ないだろう。

 

グリップエンドはブランジーノEXよりも3~4㎝ほど長い。

下の写真は上がブランジーノEX97ML/Mで下がSWAT972S-ML。

SWATはより脇に挟みやすいようになっていて、ただ巻きでの使用に重点を置かれているのかもしれない。

 

意外とシャープなキャスト感

使用前はもっと全体的にモッチリしていているのかと思っていたがそんなことはなかった。

確かにマイルドではあるが、想像していたよりもロッドに張りがあって、そこそこシャープなキャスト感を持っている。

 

もちろん、ブランジーノEX程のカリカリなシャープさは無い。

だが、これくらいの張り感であれば多くのアングラーは満足なのでは?と感じるレベルにあると思う。

 

しかし、そこは曲がる天龍ロッド。

キャストのリリースポイントは広く、安定したキャスティングが可能である。

キャスタビリティも問題なく良い。ロングキャストの精度という部分では、ブランジーノとの差異はあまり感じられなかった。

 

幅の広いルアーを扱える

ルアーについては快適にキャスト可能なルアー重量が広いと感じる。

22gのカゲロウ、25gのマリンギャング140Fなどのやや重めのミノーでも力負けせずにキャストする事が出来る。

バットからベリーにかけてのパワー感がとても心地良いキャスト感だ。

このクラスのルアーを快適にキャストできるのはMクラス以上のイメージがあるので、SWAT972SはMLクラスにしては強めのブランクス設定ではないかと思う。

 

ルアーの下限については公式の記載がなく、にゃがともは10g以下の軽量ルアーを使う機会があまりないので不明だが、10g程度のルアーであれば十分にロッドのしなりを使ってキャストできた。

聞くところによれば6gも普通にキャストできるみたいだ。

 

ルアーのキャスティングについて最も驚いた事がある。

Max40gのロッドでありながらオーバーウェイトの48gのウェイキーブーをペンデュラムで楽々フルキャストできてしまう点である。

全く無理がないのである。

まだまだブランクスには余裕を感じながら気持ちよくキャストができてしまう。

このロッド、懐が深い。

これは特筆すべき素晴らしい性能だと感じた。

 

つまり、このロッドは多くのシーバスルアーを1本で快適にキャストができてしまう。

非常に高い汎用性を持ち合わせているロッドと思う。

 

曲がりは気持ちよい

フッキング時の感触は、ブランジーノEXはフッキング時にガツっと魚の重みを硬質に感じるのに対し、SWATは滑らかに魚の重みが掛かる感じで、硬質な感じはしない。

ティップ〜ベリーにかけて結構入るマイルドなフッキングである。

 

かといって、弧を描くようなスロー~レギュラーテーパーまでは行かない。

ブランジーノEXはファーストテーパーあるのに対して、SWATはレギュラーファーストくらいだと思う。

最近のシーバスロッドのトレンドを抑えたロッドだと思う。

 

ロッドが曲がることによる粘りによって、もちろん魚を暴れさせずに楽にファイトができる。

ファーストフィッシュは50㎝くらいかな?と思っていたら65㎝くらいだった。

 

また、76㎝のヒラスズキを釣った際も、極太にも関わらず掛けた時は60㎝位かと思った。

何故だか分からないが、スーっと寄ってくる事が多いような気がする。

適度な反発によって負荷をかけるので、魚が自由を奪われて暴れにくいのかもしれない。

 

また、ブランジーノEXと同じ感覚でドラグを緩めてもドラグが出ない。

ロッドの曲がり(粘り)が魚の抵抗を吸収していなしてくれている事は明白だった。

ロッドが曲がることで勝手に仕事をしてくれる、オートマチックなロッドである。

 

このSWATの曲がりや粘りの最大の利点は、フックにあると考える。

ランカーサイズよりも上の90㎝やメーター近いシーバスとのやり取りを想定したとき、ブランジーノEXは最低でもフックサイズは#4が欲しい。

そうでないとフックの曲がりが気になってドラグは緩めになると思う。

 

対してSWATは曲がる分#6でもどうにかなるのでは?という安心感がある。

もちろん魚とのやり取り次第ではあるが。

 

感度は高弾性には劣る

当然ながら魚のバイトやボトム感知等の反響感度はブランジーノEXには劣る。

ブランジーノEXはアフター時期の「コッ」という極小バイトも明確にバイトと捉えることができたが、SWATにそこまでの繊細さは無い。

 

しかし、ブランジーノの感度はシーバスロッドの中でも最高レベルだろうから比較すること自体が間違いかもしれない。

その分、耐久性や粘りといったSWATの利点を犠牲にしているのだから。

 

操作性

ジャーキングはファーストテーパーであり軽量なブランジーノEXの方が快適だと感じる。

ただし、SWATも決してジャーキングが出来ない訳ではない。

しかし、グリップエンドもブランジーノEXよりも長く、取り回しもあまり良くないので、あくまでただ巻物メインのロッドで、必要に応じてアクションさせるといった用途であれば対応できる能力はあるといった感じである。

 

総括:究極のただ巻き用バーサタイルロッド

SWAT_SW972S-MLは基本的に曲がる中弾性ロッドである。

しかし、ナノ技術によるものなのか、キャスト時のシャッキリ感も感じられる。

つまり、キャスト時の張りとファイト時の粘りの両立を目指した典型的な現代系の中弾性ロッドだと感じた。

要は、キャストも良し、魚とのファイトも良しの優等生的ロッドだと思う。

 

そして、最も素晴らしいと感じたのは、無理なく扱えるルアーの重量幅が広いことである。

10g以下の軽量ルアーも快適にキャストでき、その上48gのウェイキーブーを躊躇なくフルキャストできるブランクス性能は素晴らしいの一言である。

 

以上を踏まえると、このSWAT972-MLはやや操作性に劣る部分はあるが、懐の広さを考えるとまさに究極のただ巻きバーサタイルロッドと言えるだろう。

 

大場所でただ巻きメインで年中1本で通したいと考えるアングラーに最適なロッドと言える。

 

金額的にはやや高めの部類のロッドにはなるだろうが、ブランジーノEXのように決して上級者用といったロッドでは無く、幅広いユーザー層にマッチするロッドなのではと思う。

 

以上、ブランジーノEXというSWATとは全く方向性が異なるロッドとの比較となってしまったので、どちらかというと高弾性ロッドと中弾性ロッドの比較みたいなインプレになってしまったかもしれない。

しかし、ブランジーノにはブランジーノの、SWATにはSWATの明確な良さがあると感じた。

そこにはどちらが高性能で良いロッドかという論点は無く、後はアングラーがどのようなスタイルでシーバスを狙うのが好きかの問題だと思う。

 

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