ヤマガブランクス アーリープラス92XML
オークションサイトで折れたものを格安で購入し、免責によって蘇らせたシーバスロッドです。
2015年に発売開始され、既にそれなりに経過しているロッドですが、せっかく手に入れたので少しだけインプレしてみたいと思います。
アーリープラス92XML
まず、このロッドを簡単に説明すると、
・9.2ftのMLクラスで重量は147g。
・ルアー重量は、7~32g。
・定価は28,000円。
MLクラスのロッドですが、同クラスのアーリープラス95MLと比較するとティップがよりマイルドに、そしてベリー~バットが強く設計されているようです。
以下、ヤマガブランクスHPより引用
入り込みながらも高反発で繊細なティップと、パツンと張りのあるベリーからバットを融合したチューンドモデル。河川や河口、瀬戸などの流れの速い場所でランカーを狙う為のファイナルウェポンであり、ランカーキラーと呼ぶにふさわしい一本です。95MLよりもワンランク強めのベリーからバットは、キャストにおいても操作においても攻めのゲーム展開を可能とします
この文言から予想される事は、ダイワのシーバスロッドでいう所のML/Mクラスと同じテイストを狙ったものかなと思いました。
ヤマガロッドらしくない?
使い始めてすぐに、運良く何匹か魚を掛けることができたのですが、
私がこのロッドに感じた印象としては、
確かにベリーが少し強い
良くも悪くも
ヤマガブランクスぽくないテイストのロッド
だと感じました。
私が感じているヤマガロッドのイメージとしては、
ティップ~ベリーはしなやかに曲がって魚の抵抗を吸収しながら、パワーのあるバットの復元力で魚を寄せるといったイメージです。
レギュラーテーパーのいわゆる曲げて獲るロッドですね。
恐らく、95MLがそのイメージに近いのではないかと思われます。
しかし、この92XMLというロッドの場合、ベリーが強めに設定されているので、想像していた曲がりよりもファーストテーパー寄りの曲がり方をします。
要は、ベリーの役割として、曲がって魚に追従する事よりも反発して魚を寄せる事にウェイトを置くことでロッドにパワーを与えている感じでしょうか。
デカイ魚をかけた時に初めてこのロッドが持つ曲がりと反発力を発揮してくれる予感がします。
このように、やはりヤマガが謳うようにランカークラスの魚を意識したロッドだなと感じました。
一言で言うならば
それで、
このロッドを一言で言い表すならば、9.2ftというレングスも考えると、
やや強めのウェーディングロッド
といった感じでしょうか(もちろん陸からでもOK)。
印象としては、MLクラスという扱いやすい汎用性能を持ちながらも、強い流れの中やストラクチャー際の良型シーバスともある程度勝負できそうな感じがします。
9.2ftというレングスですが、飛距離を優先するならば9.6ftくらいに設計しそうなので、やはりウェーディングでの使用も想定して短めのレングス設定になっていると思います。
手持ちのレイジー90Lと比較してみたのですが、有効レングス(リールシートより上の長さ)は1~2cmくらいしか変わりませんでした。
なので、実際には9.0ftのロッドと考えて良いと思います。
キャスト感
これは、最初はちょっとクセがあって投げにくいと感じました。
適当にキャストすると、ベリーがしならずタメの効かないキャストになってしまって、ルアーがやや下向きに射出され手前にドボンという時がありました。
今までラテオやレイジーといった素直に曲がってくれてキャストが簡単なロッドばかり使ってきた私としては、硬めのベリーを持つロッドは少し違和感を感じましたね(;・∀・)
しかし、ベリーを曲げてやる事を意識すればその内慣れてくると思いますし、ロッドの反発が強い分飛距離も向上するのではと思います。
一方で、うまくいくとシャープにキャストできる印象もあります。
このシャープさの理由なのですが、アーリープラスは、
バットが細い
という特徴があるんですね。
以下に私が使っていたロッドのブランクの先径(ティップ先端)と元径(バット根元)を示しますが、
ロッド名 | 先径 (㎜) | 元径 (㎜) |
アーリープラス92XML | 1.7 | 11.5 |
ラテオ96ML | 1.8 | 13.4 |
レイジー90L | 1.6 | 12.4 |
以前使っていたラテオ96MLは元径が13.4㎜なのですが、アーリープラス92XMLに関しては11.5㎜となっており、2㎜近くバット部分が細いんです。
2㎜といったら大したことなさそうですが、百分率にすると15%分なので結構な違いですよね。
レイジー90Lですら元径が12.4㎜ですから、Lクラスのロッドよりも細いんです。
※軽くてシャープそうなイメージのあるモアザンエキスパートの93ML(121g)でさえ元径は12.4㎜です。
この違いですが、
基本的に径が太い方がブランクが潰れ難くなって強度が上がります。
そのため、ダイワロッドは軽くするためにカーボンを薄巻きにし、その分ブランク径を大きくする事で強度を持たせているロッドだと思います(ロッドを太くする事で強度や粘りを出す)。
一方で、ヤマガロッドは、カーボンを厚巻きにする事でブランク径が小さい割にパワーを持たせているロッドなのだと思われます(カーボンを厚くする事で強度や粘りを出す)。
ロッド径と強度のイメージ
つまり、アーリープラス92XMLはベリー~バットを強く設計しているのにも関わらず、カーボンを厚巻きにすることでブランクの細さ・シャープさを保っていると言えます。
このシャープさというのは、キャスト時の快適さや疲労の軽減にも繋がりますので、長時間キャストを繰り返すルアーフィッシングにおいては重要な要素だと個人的に思っています。
※上位機種のバリスティックTZ/NANOになると、更にブランクが細くなっているので、ヤマガのシーバスロッド全般がシャープさを重視した設計になっていると推測されます。
おわりに
今回入手したアーリープラス92XMLについて、ちょっとだけインプレしてみました。
私がこのロッドに感じた第一印象は、やや強めのウェーディングロッドという印象です。
しかし、ブランクが細くシャープなキャスト感が得られるロッドでもあり、ベリーが硬めなので多少クセを感じますが、慣れれば使い勝手の良いロッドになるのではないかと感じています。
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