私にゃがともはこの日、久々にシーバスを狙いに河川へ訪れた。
毎年の事ながら、年度末工期の仕事群がようやくひと段落つき、さあこれから暫くは釣りの時間が取れるぞ!と開放感に溢れた釣行である。
干潮2時間前という時間帯に河川下流域の橋脚に到着し、ルアーフィッシングを始める。
狙いは鱸だ。
季節的にベイトも河川に入ってくる頃だろう。
桜も開花し、鱸のシーズン開始を予感させる。
ベイトはアミ、ハク、稚鮎といったところか。
ところが、潮が悪いのか鱸からのコンタクトは無い。
1時間ほど竿を振ったところで、ポイントを変えることにして橋脚を後にした。
移動した先は、潮位の低い干潮時のみ入れるポイントである。
砂地のポイントで、潮位が100cmを切り始めると、川幅が狭くなってベイトの密度が高くなり、流れにもメリハリが付く。
過去にはランカーも釣っているポイントだ。
流心にルアーを投げ込んで、ドリフトさせる。
しかしシーバスからの反応はない。
10分位キャストを続けただろうか。
突然、背後から
バタンバタン!
と大きな音が。
猪か!?
ビックリして振り向いてみるが、背後の陸化した砂地には何も見えない。
何物かの気配を感じて少し動揺したが、キャストを続ける。
すると再び、
バタンバタン!
と同じ場所から同じ音が聞こえた。
この音、冷静になって考えると獣のそれでは無さそうである。
釣り人ならば誰でも聞き覚えのある音。
それは魚を釣り上げた時に、陸で魚がバタンバタンと暴れる音だ。
魚が逃げ遅れて陸化した砂地で暴れているのだ。
バカなボラか何かだろうと私は想像した。
釣りを中断し、ライトを照らしながら音の先へゆっくりと近づいてみる。
遠くで流木のような物体がうっすらと見え始めたので近づいてみる。
銀色ではないのでボラでは無いようだ。
予想は外れた。
そして、その流木のような物体との距離が5m程となった時、
私は全てを理解した。
ちょwww
ヒラメじゃんw
それもバカデカい!
そう、そこには超巨大なヒラメが何故か横たわっていたのである。
「座布団なんてレベルじゃねえぞ!」
私は心の中で叫んだ。
今まで見たことのない巨体、これは大座布団と呼ばれるサイズである。
ヒラメアングラーならば誰もが憧れ、夢見る大座布団。
一生に一度は手中に収めたいと願っている大座布団。
そんな夢のような魚を、私は労せずに
拾った
のである。
それも、ルアー釣りでもない、生餌の泳がせ釣りでもない。
竿もリールも使う事無く、前人未到のやり方で私はこの巨大ヒラメを捕獲してみせたのである!
周りに誰も居ないので、ルアーを付けて巨大ヒラメを釣ったことにもできた。
釣り人特有の自己顕示欲が一瞬だけ脳裏によぎった。
しかし、一生嘘をつき続けて生きていく自信が無いのでやめた。
測ってみると、何と88㎝という巨大ヒラメであった。
弱肉強食の過酷な自然界で、長年生きながらえここまで成長してきたであろう優秀なDNAを持った個体。
そんな彼の最後は、引き潮で逃げ遅れて陸に打ち上げられたあげく、またまた居合わせた釣り人に捕獲されるという、自然界の怖さと切なさを感じる悲しい末路であった。。。
そして、釣ってもいない、ただ拾った魚をブツ持ちでドやるアングラーがそこにはいた。
っていう、巨大ヒラメを拾うというレア体験をした記事でした(笑)
使用タックル
- ロッド:無し
- リール:無し
- ライン:無し
- ルアー:無し
コメント