2018年に発表された新設計思想である「LTコンセプト」の第一弾モデルである18フリームスと18カルディア。
エントリークラスとミドルクラスですので、当然値段は違うのですが、どれくらい性能に違いがあるのでしょうか?
今回は、私の持っているリールが18フリームスLT2000Sであることから、18カルディアLT2000Sと比較してみました。
スペック
18フリームスとカルディアのスペックを下表にしまします。
スペック | 18フリームス LT2000S | 18カルディア LT2000S |
定価 | 15,800円 | 21,900円 |
ネット実売価格 | 12,000円程度 | 18,000円程度 |
ギヤ比 | 5.2 | 5.2 |
巻き取り量 | 68cm | 68cm |
自重 | 190g | 170g |
ドラグ | ATD | ATD |
最大ドラグ力 | 5kg | 5kg |
ベアリング(標準) | 5/0 | 6/1 |
ベアリング(MAX) | 8/1 | 10/1 |
糸巻量(PE0.4号) | 200m | 200m |
ボディ素材 | DS5 | ZION |
ローター素材 | DS4 | DS5 |
ギヤ | タフデジギヤ | タフデジギヤ |
スプール素材 | 薄肉アルミスプール | 薄肉アルミスプール |
スプール形状 | ロングキャストABS | ロングキャストABS |
ハンドル | ねじ込み式 | ねじ込み式 |
価格差は定価、実売価格ともに6000円程度と結構な差がありますね。
その差が素材やベアリングの数として現れているようです。
18カルディアが上回っている所
価格的に当たり前ですが、18カルディアが上回っている性能は、以下の3点であると言えます。
①ボディおよびローターの素材のグレード
②重量
③ベアリング数
ボディおよびローターの素材
ボディ素材は、18フリームスが強化プラスチックのDS5で18カルディアがカーボン混合樹脂のZIONです。
ローターは、18フリームスがDS4で18カルディアがDS5です。
18カルディアが1ランク上のグレードの樹脂系素材を採用しています。
ボディ素材は、剛性や軽さに関わってきますし、ローター素材は巻き心地にも関連しますので、重要な部分です。
このあたりは、ZIONを採用できないフリームスが価格的にエントリーモデルである部分ですね。
重量
重量は、18フリームスLT2000Sが190gで、18カルディアLT2000Sが170gで、20gの重量差があります。
やはり、より軽量なZIONボディを採用している18カルディアが重量で有利ですね。
ベアリング数
標準ベアリング数は、18フリームスLT2000Sが5個で、18カルディアLT2000Sが6個です。18カルディアにはラインローラーにベアリングが組み込まれている事から18フリームスよりも1つベアリングが多くなっています(フリームスは無し)。
各リールをフルベアリング化した場合、18フリームスもラインローラーにベアリングを組み込む事が可能です。
しかし、18カルディアはスプールとスプール受けにもベアリングを組み込む事ができるのに対して、18フリームスは追加出来ない構造になっており、ドラグ性能に差がでる事になります(結果的にベアリング数に2つの差がでます)。
このあたりで性能差を出しているようです。
18フリームスのスプール受け↓ベアリングの追加はできない。
18フリームスのフルベアリング化の記事
フリームスが健闘している所
リール駆動部
ボディの素材には違いがありますが、下図に示すように、ボディ内部の構造は同じでベアリング数も同じです。
ベアリングはどちらも5つ組み込まれており、18フリームスでは15フリームスには無かったピニオンギヤの下側の軸受にベアリングが追加されたことでカルディアと同じ構造になています。
18フリームスの展開図↓赤四角が駆動部のベアリング)
18カルディアの展開図↓(赤四角が駆動部のベアリング)
ギヤに関しても同じ素材(亜鉛)のタフデジギヤを搭載しています。
したがって、リールの下半身、つまり基本的な回転性能や耐久性に関しては、ほぼ同等と見ることができます。
この点は、18フリームスが、エントリーモデルでありながら、しっかりとした構造になっている良い部分ですね。
ねじ込み式ハンドル
ハンドルの形状は、18フリームスが旧モデル(15フリームス)の折りたたみ式から進化したことによって、どちらもねじ込み式ハンドルです。
ねじ込み式ハンドルは、ハンドルのガタつきを抑える形状です。
17年までは、カルディア以上のリールに採用されていましたので、フリームスがミドルクラスに近づいた部分ですね。
※フリームスの上位機種のEMMSは未だ折りたたみ式。
また、その細い形状もセオリーのハンドルを継承した同じ形状となっています。
18フリームスのハンドル↓
フリームスが凌駕している点
価格的にも18カルディアが良いのは当たり前なのですが、フリームスの良い所といえば、性能的な部分ではなありませんが、
替えスプールが安い
これに尽きると思います。
カルディアが7800円に対して、フリームスは4400円。
フリームスのスプールは他のリールと互換性がないといった問題はありますが、これは地味に大きな差ですよね。
仮に替えスプールを1つ用意するとすれば、その価格差は6,000円⇒約10,000円にもなります。
そう考えると、コスト的にフリームスはアリですね。
まとめ
エントリークラスの18フリームスとミドルクラスの18カルディアの差は、
①ベアリング数
②ボディおよびローターの素材
③樹脂素材のグレードに起因する重量差
が挙げられます。
これらを見ると、フリームスはカルディアの正当なコストダウンモデルになっていると言え、6000円の価格差がそのまま素材やベアリング数といった性能差に反映されている感じですね。
しかし、リールの下半身(ボディ内部の駆動部やハンドル)には差が無いため、リールを巻くという最も重要な性能や耐久性に関しては同等と言えそうで、18フリームスはリールの基本性能といった点においては、ミドルクラスと変わらないしっかりとした構造になっていると言えます。
従って、リールの基本性能は無視できないが、予算的により安く済ませたかったり、安価にスペアスプールも所持したい場合には18フリームスで、ボディおよびローターの素材やベアリング数にも妥協したくない場合には18カルディアが選択肢になると思われます。
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