・シーバス⇒春先の小型ルアーや干潟ウェーディング
・メバリング⇒フロートリグや磯メバル
・チニング⇒夏のトップチニング
などなど、これらのシーンを汎用的にカバーするロッドとしては8.6~9.0ftのLクラスのシーバスロッドが適切かと思い、中古やオークションサイトなども含めて色々と探し回っていました。
そして、結局購入したNEWロッドが、
ダイワ レイジー90L
9.0ft、130gのシーバスロッドですね。
定価は20,800円で実売は13,000~14,000円位でしょうか。
最近、ヤフオクがクーポン的なものを始めていて、10%OFFクーポンとかあるんですよ。
そのクーポン等も駆使して、新品がコミコミ9,000円ちょいだったので思わず購入してしまいました(;・∀・)
シーバスロッドの購入にあたって、レイジーとラテオで悩んでいる方もいるのではと思います。
今回は、このレイジーの購入インプレとして、このロッドのブランクについて考えてみたいと思います。
※初心者向けの記事になります。
ブランクには旧型ラテオQやラブラックスと同じ高密度HVFカーボンを採用
参照:ダイワ
レイジーは実売1万円代前半の廉価モデルですが、ブランクには高密度カーボンである「HVF」が採用されています。
これがこのロッドの1つの目玉かと思います。
実売で1万円代前半なので、価格的にはメジャクラのクロステージなんかと同格ですからね。
では、HVFで何なの?って話ですが、
まず、ロッド本体(ブランク)ですが、素材はプリプレグと呼ばれるカーボンシートです。
参照:東レ
これをマンドレルと呼ばれる鉄芯に巻きつけた状態で、窯で焼いたものがロッドのブランクスな訳ですが、このカーボンシートには、カーボン繊維の他に、繊維同士を接着する役割である樹脂(レジン)が含まれています。
プリプレグの段階では、30%くらいは含まれているようです。
HVFとは、このカーボンシート中に含まれる樹脂をプレスして絞り出すことによって、カーボン繊維をより多く(高密度)したロッドの事です。
カーボンはとても固くて感度の良い素材ですが、繊維同士を接着するための樹脂が多いと感度を阻害するものになります。
なので、樹脂(レジン)が少ないロッドの方がより高感度なわけですね。
※一方で、樹脂が少なすぎるとロッドは折れやすくなるという側面もあります。
そして、ダイワは、プレスしていないそのままの状態のカーボンシートから作った樹脂たっぷりのロッドを「ノーマルカーボン」と呼んでいて、そこから樹脂を絞り出したものを「HVF」、そして更に樹脂を絞り出したものを「SVF」と呼んでいます。
参照:ダイワ
下位機種のシーバスハンターXは「ノーマルカーボン」で、上位機種のラテオQ(旧型)やラブラックスはレイジーと同じく「HVF」です。
※2019年に新型ラテオRが発売され、ナノHVFが採用されましたので、同じHVFとは言えなくなりました。この記事では旧型ラテオQとの比較として話を進めていきます。
つまり、レイジーは、上位機種(旧型ラテオQ・ラブラックス)と同じ高密度HVFカーボンを原料として使用しているという非常にコストパフォーマンスに優れたロッドと言えそうですね。
カーボン含有率がラテオやラブラックスと微妙に違う
参照:ダイワ
巷では、レイジーは上位機種であるラテオと全く同じブランクを使用している。
つまり、旧型ラテオQのブランクはそのままに、コスメやガイド(SIC⇒アルコナイト)をコストダウンしたロッドがレイジーであると言われています。
同じHVFですからね。
しかし、実際には以下に示すように、同じHVFであってもカーボン含有率に微妙な違いがあるみたいです。
・レイジー90L・・・96%
・旧型ラテオQ90L・・・・97%
・ラブラックス90L・・・98%
で、
じゃあ残りの2~4%は樹脂なのか?と思いますが答えはノーで、
残りはガラス繊維なんです。
このように、レイジーの箱には使用材料として、カーボン繊維96%とガラス繊維4%と表示されていて、樹脂はその種類(エポキシ)が記載されているのみです。
つまり、樹脂の含有率とカーボン含有率に関係性はないのです。
これを誤認されている方が結構多いのではないでしょうか。
数値から見える旧型ラテオQとの性能の違いは
上記のように、レイジーのブランクは、ラテオのそれよりもガラス繊維が1%多い素材を原料としていると言えそうです。
では、それによってどんな性能の違いがでるのか。
ガラス繊維はカーボン繊維よりも破断強度は高いが感度は悪い素材なので、
ラテオ(カーボン繊維含有率97%)を基準とすると、
・ラブラックス(98%)は、旧型ラテオQよりも感度が高く破断強度が低いブランク。
・レイジー(96%)は、旧型ラテオQよりも感度が低いが破断強度は高いブランク。
という位置づけに数値上はなるのではと思っています。
また、カーボン繊維はガラス繊維よりも張りのある素材なので、ラブラックス>旧型ラテオQ>レイジーの順で張りがあり復元力の高いロッドであるとも言えると思います。
ざっくりいうと、レイジーは旧型ラテオQと比較してややだるさが感じられるかもしれませんね。
1%の含有量の差が感度・強度・張りなどにどれだけ関わってくるかは分かりませんが、やはりブランク自体にも上位機種との差があると言って良さそうで、
レイジーは、高密度HVFカーボンでありながら、より頑丈さを意識した入門者向けのロッドと言えそうです。
※単純に原材料のコストカットとも言えそうですが(;・∀・)
キャスティングについて
まず最初に、
9.0フィートのLクラスのロッドである事から、私が使用していた旧型ラテオQ96MLや90MLよりもグリップエンドがやや短めに設定されており、取り回しが良く作られています。
なので、垂らしを短めにしたショートキャストなどの小ワザにも対応していますね。
そのため、中・小規模河川、漁港や港湾、またはウェーディングなど、様々なシチュエーションで釣りをする可能性がある人にはバランスが良さそうです。
※一方でグリップを脇に固定して安定的に巻くという動作がややし難い(脇の真ん中位にグリップエンドがくる)という印象もあります。
次に、
10~28g位のシンペンやミノーをキャストしてみました。
Lクラスのロッドを扱うのが初めてなので柔らかいといった印象を持ちましたが、
しっかりとロッドを曲げてキャストができるので、自重の軽さとLクラスのシャープさで特に10g前後の小型ルアーは気持ちよくキャストできます。
力を入れずに軽くキャストしても、ロッドの反発で気持ちよく飛んでくれました。
15gくらいまでのルアーを使うのにはベストだと思います。
一方で、20g辺りからロッドの反発力が不足してくる印象があります。
MAXウェイトの28gのシンペンをキャストしましたが、垂らしを長めにしてロッド全体のしなりを使ったペンデュラムキャストが良いかと思います。
全体の印象としては、私は同価格帯のメジャクラのクロステージを所有しているのでその比較になりますが、
クロステージはボヨンとした印象を持ったのですが、レイジーの方がよりシャキっとした印象がありました。
これがHVFの効果かもしれません。
魚とのファイトは
Lクラスのロッドなので、当然パワーがあるロッドだとは言えませんし、MLクラスのロッドと比較してバッドも細いです。
バットが細い方がキャスト性は上がるので私は好きですけどね。
それで、実際に魚を掛けた印象ですが、
2019年4月時点で、今のところ最大で78cmを筆頭にスズキサイズ4匹、セイゴ5匹、チヌ1匹、クロソイ10匹ほど釣り上げています。
釣りポイントは河口や河川で、ストラクチャーのある釣りではないのでスズキサイズはドラグを使って慎重にやり取りができましたが、しなやかにロッドが曲がって魚の引きに追従しバラすことなく寄せることができました。
なので、ランカー以下クラスであればパワーも問題無くていい感じだと思います。
おわりに
レイジーは、上位機種である旧型ラテオQやラブラックスと同様に、樹脂を絞り出してカーボン繊維を高密度化した「HVF」カーボンが使用されており、コストパフォーマンスの高いロッドであると言えます。
一方で、旧型ラテオQと全く同じブランクという訳ではなさそうで、ブランクに含まれるカーボン繊維とガラス繊維の割合が僅かに異なり、ガラス繊維がやや多い(1%)ブランクになっています。
これによって、張りや感度よりも、頑丈さを意識したモデルであると言えそうです。
ですので、これからシーバスを始めたいとか、1万円以下のロッドからステップアップしたいという入門者の方には良いロッドなのではと思います。
【レイジー90L】小場所や春先のウェーディングなどで10g前後のルアーを多様する釣り向け
【レイジー90ML】幅広い重量のルアーを使って大場所から小場所までカバーする釣り向け
【レイジー96ML】大河川などの大場所で幅広い重量のルアーを使いたい釣り向け
コメント
こんにちは!
めちゃ詳しく書かれてますね!!
勉強になります。。
最近はライン等もよくなって
竿に頼らずともセッティングで
感度を上げられるので
ロッドのセレクトは値段だけではなく
もっと自由になっていますよね。
Nobさん
コメントありがとうございます!
勉強だなんて、当たり前の事しか書けないですよ(;・∀・)
そうですよね~。安くても十分使えるロッドが沢山あると思います!
でも、高価格帯の高弾性ロッドやナノアロイなんかもやっぱり気になりますね~(´∀`)
一度はどんな感じなのか使ってみたいです!
ラテオと同じHVFとありますが、ホームページで見ると、ラテオはHVFナノカーボンとありレイジーはHVFカーボンとありますが、同じなんでしょうかね?
にゃんこさん
コメントありがとうございます。
この記事で取り扱っているラテオですが、2019年に発売となったナノHVFの新型ラテオRではなく、それ以前のノーマルHVFの旧型ラテオQとの比較となっております(記事作成時に19ラテオRは未発表でした)。
なので、レイジーのHVFと新型ラテオRのナノHVFは別物と言えますね。
つまり、レイジーと旧型ラテオQが同種のHVFで同じような粘りのあるテイストのロッド、新型ラテオはナノレジンを使って軽い割に強度が強く、シャッキリ感も出したナノHVFとなり、差別化が図られたという事になります。
新型ラテオが発売されて、にゃんこさんのように誤解を招く記事になってしまって申し訳ありません。
記事を訂正しておきますね!