愛媛県は釣り天国とも言われたりします。
海岸線の延長が長く、内海の「瀬戸内海」と外洋(黒潮)の影響下にある「宇和海」という2つの異なる海域を持っており、様々な魚種が狙えるフィールドだからかもしれません。
・転勤で愛媛に来たけど釣り事情が分からない
・これから愛媛で海のルアー釣りを始めたい
という方に参考になればと思い、ショア(陸)から狙える愛媛で人気のあるソルトルアーフィッシングのランキングとその概要を記事にしてみました。
この記事で扱うエリア
私の専門は松山市から西側の県西部エリア(中予、南予)であり、残念なことに県東部エリア(東予)の知識はほとんど持ち合わせておりません。
なので、この記事で扱うのは県西部エリア(松山~佐田岬半島辺りの瀬戸内海と宇和海)に限った情報とさせて頂きます。
また、個人的な知識と経験のみに基づくものなので、多少事実と異なる部分もあるかもしれませんがご了承ください。
図1 この記事で扱うエリア
人気ベスト3
1位:アジング、メバリング(ライトゲーム)
愛媛のアジ、メバルの魚影の濃さは国内トップクラスだと思います。
松山市周辺でも狙えますが、県西部の方が型、数ともに良い傾向にありますね。
いずれもマズメ時とナイトゲームが良いです。
これらの魚は漁港の常夜灯周りなどを狙えば、初心者の方でも比較的簡単に釣ることができるので、誰でも手軽に楽しむことができます。
アジング
アジは場所によっては年中狙え、春~夏は小型ですが、秋~冬になると尺アジと呼ばれる30cmオーバーのアジが漁港からも釣れるのが魅力です。
気温は低いけど海水温は下がりきっていない11月〜1月頃が最盛期かと思います。
2月に入ると瀬戸内側は海水温が下がりすぎて厳しくなりますので、黒潮の影響で水温の高い宇和海側で狙うのが良いと思います。
愛媛で釣れるアジは「マアジ」ですが、回遊性が強くスリムな魚体で背中が黒い「セグロアジ」と、体高が高く背中が金色の「金アジ」の2種類に分けられます。
食べて美味しいのは断然「金アジ」で、秋~冬にかけては脂がノリノリで非常に美味です。
金アジを釣りたいなら圧倒的に佐田岬以南の宇和海側ですね。
宇和海側はリアス式海岸になっていて漁港が沢山ありますので、これらの常夜灯下でアジを狙う方が多いです。
なお、佐田岬半島ではギガアジ・テラアジといった40cm~50cm級のアジが釣れることで有名ですが、ジグヘッド単体で狙う一般的なアジングとは釣り方が異なります。
一時的に回遊してくるギガアジを狙うので、どちらかというとショアジギングのイメージに近く、漁港で手軽にギガアジが釣れるというものではありません。
また、期間限定であるため情報が命ですし、カゴ釣り(餌釣り)の方々とバッティングして釣り場が鉄火場になる事もありますので最初はあまりオススメできません。
上が金アジで下が背黒アジ
メバリング
メバルは12月〜6月に掛けて狙う事ができ、3月~4月が最盛期です。
松山周辺でしたら興居島などの離島の方がサイズも数も良く、瀬戸内海西部の長浜~佐田岬半島にかけて魚影が濃いです。
このエリアは冬から春にかけて海岸沿いにホンダワラという藻が繁茂しますので、メバルが居つくのに最適な環境になっています。
サイズは20cm前後がアベレージで、良い場所だと20cm後半クラスがボチボチといった感じでしょうか。
尺メバルは漁港などでは運がよければ、あとは佐田岬の地磯で赤メバル狙いですね。
アジングと同じくジグヘッド単体でも問題なく釣れますが、おすすめしたいのはプラッギングです。
ハードルアーで釣るのですが、常夜灯周りにはブルーバックと呼ばれる表層を回遊する黒メバルが多く集まるので、ルアーを表層を漂わせているだけでパシャっと水面を割ってアタックしてきますのでとても楽しいですよ。
漁港の常夜灯下ではトッププラグでメバルが比較的簡単に釣れます
2位:エギング
愛媛ではエギングも非常に人気があります。
9月~11月頃の小イカが主体となる秋イカの時期と、3月~5月位の産卵前の親イカ(春イカ)の時期が最盛期です。
瀬戸内側では、秋シーズンの小イカの数釣りは可能ですが、1kgオーバーの大型が期待できる春シーズンの親イカは厳しいですね。
10~15年くらい前までは瀬戸内側でも結構釣れていた印象ですが、その後のエギングブームによって秋に小イカが乱獲された結果、アオリイカの個体数が激減しているのが実情です。
イカの本場は、圧倒的に宇和島以南の南西部ですね。
このエリアは黒潮の影響で水温が高いため、2月頃から親イカが狙えます。
1キロ~2キロを越えるアオリイカが釣れるエギングの聖地ですが、アジの泳がせ釣りやヤエン釣りも多いです。
これはこの前釣った紋甲イカですが(^_^;)
3位:ショアジギング(青物)
青物も結構人気の魚種です。
愛媛で陸から釣れる青物はブリとサワラがほとんどです
ちなみに、愛媛ではブリ族を70cm以下をヤズ、それ以上をハマチと呼ぶ事が多いですね。
ガチの方々は佐田岬~宇和海の地磯に降りて青物を狙いますが、最初は潮通しの良い堤防から狙うのが良いと思います。
秋には漁港近くに回遊してくる可能性が高まりますので、朝まずめや夕まずめに試してみる価値はあります。
これも主に佐田岬以南で可能性が高くなりますが、松山周辺でも春や秋の時期にイワシが接岸したタイミングなどには防波堤からハマチサイズ(60~70cm前後)を狙うことが可能で、80オーバーの実績も多くあります。
ただし、松山周辺の青物は、釣れている情報が出始めた後だと既に祭りが終わってる事も多かったり、堤防は人でごった返してたりします。
メタルジグ30gで釣れたヤズ
その他のルアーフィッシング
その他の愛媛で陸からルアーで狙えるターゲットも紹介しておきます。
タチウオ
タチウオは30年位前、私が子供だった頃はアホみたいに釣れていた印象ですが、最近はあまり良くないです(東予方面は最近でも良いと聞いたことがありますが)。
瀬戸内海では大阪湾周辺など東側がタチウオには良いようなので、愛媛でも東に行けば行くほど良いかもしれません。
タチウオは、夏辺りから釣れだし、最盛期を10月~11月に迎えて12月で終わる感じです。
夏の走りのタチウオの方がサイズが良い印象ですね。
釣れるタイミングは、マズメ時が圧倒的に食いが立って、夜はポツポツといった感じで時合いがハッキリしています。
県西部エリアでも夜間に港内に群れが入ってくる場合がありますが、当たり外れが大きくタイミングが読めないので情報戦ですね(夜間にアジングしてたらタチウオが湧いていた等)。
釣り方は、ワインドなどで狙うよりも、テンヤ+ドジョウやキビナゴを使った引き釣りの方が圧倒的に釣果が良いです。
釣果的にはテンヤで5匹釣れる所を、ワインドだと1匹位の印象ですね。
タチウオにはテンヤでベスト
チニング
松山周辺は水深の浅い小河川が多かったり港湾になっているので、チヌの魚影が濃いです。
しかし、愛媛では他にも食べて美味しい釣り物が多いので、あまり美味しくないというイメージのあるチヌは不人気というのが実情です(綺麗な海のチヌは美味しいですよ)。
バイブレーションやワームを使ってボトムを攻めるのが一般的ですが、夏場になるとデイゲームでトップウォータープラグにも好反応を示します。
専門で狙ってみるといい思いができるかもです。
夏場の河口にてトップで釣れたチヌ
シーバス
身近な場所で大物が狙えるシーバスですが、愛媛では魚影が比較的薄く釣り難い部類に入る魚なので、あまり人気はありません。
大きな河川も少ないですしね。
決して釣れないことは無いのですが、同じ大物を狙うなら青物狙いの方が圧倒的に多い印象です。
シーバスは、四国で言えば徳島や高知の浦戸湾で盛んだと思いますし、ポテンシャルも高いと思います。
愛媛だと工業地帯がある県東部エリア(東予方面)では、岸壁などからコノシロパターンで大型が狙えるため人気があるようです。
河川内で釣れたランカーシーバス
なお、宇和島方面のシーバスは体に斑点のあるタイリクスズキがほとんどです。
これは、昔養殖していたタイリクスズキが宇和海へ逃げ出して定着し、既存種のマルスズキを駆逐してしまった結果のようです。
タイリクスズキ
ヒラスズキ
黒潮を好むヒラスズキは、愛媛県では黒潮の影響を受ける宇和海全域と、宇和海と繋がっている佐田岬半島の北岸で狙う事ができます。
これらのエリアは冬には北西風が吹き荒れるのでヒラスズキの条件としては良いと思います。
また、佐田岬半島は東西に伸びていますし、宇和海はリアス式海岸で入り組んでいるため、北風、南風のどちらにも柔軟に対応できる地形となっています。
ヒラスズキは海が荒れてサラシが広がる磯場で狙う事が多いため、安全面においても上級者向けの釣りですね。
これらのエリアでは河口でも狙うことが可能ですし、アジングの外道で釣れる事も多いです。
河口で釣れたヒラスズキ
ロックフィッシュ
ロックフィッシュに関しては、カサゴ(愛媛ではホゴと呼ばれる)はどこでも釣れますね。
テトラ帯や岩場ならば高確率で釣ることが可能です。
アジング中にヒットしたカサゴ
瀬戸内海のハタ類といえばキジハタ(アコウ)です。
アコウは、今治周辺~東予方面で魚影が濃く6月~10月頃にショアから狙うことができます。
個人的には松山以西でも何回か釣れた事がありますし、友人も釣ったりもしています。
昔は釣れたという情報が少なかったので、近年生息エリアを広げているものと思われますので、狙えば色んな所で釣れるかもしれません。
私も今後開拓していきたいと思っています。
デイゲームにマイクロジグで釣れたアコウ
冬~春の時期にはクロソイも釣れます。
メバリング中に釣れる事があり、常夜灯付近が狙い目です。
汽水域にも40cmを越えるグッドサイズが結構いる印象です。
河口で釣れたクロソイ
あとは、宇和島以南のアカハタやオオモンハタなど。
アイナメも釣れない事はありませんが、数が少なく積極的に狙うターゲットではないかもです。
この辺りは情報が不足していて分かりません。
フラットフィッシュ
ヒラメやマゴチですが、瀬戸内海では結構厳しく季節限定といった印象です。
主に春や秋に河口やサーフに接岸しているので可能性はありますが、通年狙える魚ではな無いと思います。
ただし、宇和海側では黒潮の影響があるので釣れない事はないと思います。
現に、最近は愛媛の釣具屋さんでもフラットコーナーが増えてきました(全国的なブームに乗っかているだけの可能性もありますが)。
ヒラメに関して言えば、ショアから釣れる時期とイワシの接岸する時期がリンクしています。
恐らく、イワシと共にショアラインに寄り、しばらく沿岸で過ごすという感じなんだと思います。
つまり、イワシの情報を入手すれば、確率は上がると思います。
70㎝オーバーの座布団ヒラメ
マゴチは60㎝以上がランカーサイズ
季節ごとのまとめ
愛媛で釣れるルアーフィッシング対象魚の大まかなシーズンをざっとまとめておきます。
春
アジ、メバル、アオリイカ、青物、シーバス、ヒラスズキ、クロソイ、フラットフィッシュ
夏
チヌ、アコウ、アジ(小型)
秋
アジ、アオリイカ、青物、シーバス、ヒラスズキ、タチウオ、フラットフィッシュ
冬
アジ(~1月くらいまで)、メバル、青物(~1月くらいまで)、クロソイ、ヒラスズキ
おわりに
以上、愛媛のルアーフィッシングを紹介してみました(私の知り得る範囲内で)。
こうやって並べてみると、愛媛では様々な魚をショアからのルアーフィッシングで狙う事が可能ですね。
これから愛媛で海のルアー釣りを始めてみたい、転勤などで愛媛に来たけど釣り事情が全く分からない、と言った方に参考になればと思いますし、愛媛の海を楽しんで頂ければ嬉しいです。
それでは釣り場でお会いしましょうヽ(・∀・)ノ
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