「曲げて獲るロッド」とは?ブルーカレントを使って感じた事。

ロッド
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現在、私がライトゲームで使用しているロッドはヤマガブランクスのブルーカレントTZ/76です。

その性格上、アジングの1g未満のジグ単などには少し強いロッドですが、1.5g以上のジグ単や5g~7gのマイクロジグ、あるいはメバルプラッギングなどで使う分には、非常に使い易くて非常に良いロッドだと気に入っています。

 

今回は、私がこのロッドを使ってきて、ヤマガロッドが「曲げて獲る」と言われている意味について、自分なりに感じた見解を記事にしてみようと思います。

 

ブルーカレントの購入を考えている方に参考になればと思います。

 

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ヤマガブランクスは曲げて獲る?

 

「ヤマガブランクスは曲げて獲るロッドだ」

 

これが釣り人の大多数の意見。

これがこのメーカーが持つ個性らしい。

 

誰が言い出したかは分かりませんが、キャッチコピーのようにこの言葉が一人歩きしているようにさえ映ります。

 

私はこのロッドを使用する前、この言葉の意味がよく分かりませんでした。

上級者の方や、様々なロッドを使ってきた方には、この言葉が意味がよく分かっていると思うのですが、いかんせん経験の浅い私のようなアングラーにはピンと来なかったのです。

 

ネットで調べると、曲げて獲るロッドが欲しくてヤマガロッドを買ったというインプレを多く見かけます。

しかし、実際の感想としては「よく曲がります」としか記載されていない事も多く、あまりイメージが湧きませんでした。

 

だって、どんなロッドでも大なり小なり曲がりますし、ただ単に曲がるという意味では、柔らかくて低弾性のペナペナなロッドの方が曲がりますよね?

じゃあ、ヤマガは単に曲がるだけの柔らかいペナペナロッドなのかといったらそういう事でも無いはずです。

 

つまり、

「曲げて獲るロッド」と「ただ良く曲がるロッド」は意味合いが違うはずなんです。

 

この言葉の真意はなんだろう。

と私は思いました。

 

不思議な感覚

私はこのブルーカレントTZ/76をしばらく使ってみた印象として、不思議なロッドだな~と感じました。

 

その理由なのですが、

まず、尺クラスのメバルのようなトルクフルな魚を掛けた時、確かにロッドは曲がり込み、魚を過剰に暴れさせることなく抵抗を吸収して楽に寄せる事ができるパワーを持っています。

 

しかし、不思議なことに20cm前後のアジを掛けた時には、「もしかして良型?」と思わせてくれる位の引きを楽しむこともできるのです。

尺メバルクラスも問題なく寄せられるパワーがあるのにも関わらずです。

 

つまり、何が不思議なのかというと、

このロッドは、尺クラスのメバルに負けないパワーを持っていながら、小型の魚が掛かった際にはそのパワーは鳴りを潜め、魚のサイズに合わせた引きを楽しむ事ができるロッドであるという事なんですね。

 

たとえば、数値化して考えてみると、

本来の魚が持つパワーが20cmアジで3、尺メバルで10だったとすると、このロッドを使うと20cmアジが5、尺メバルが8に感じるような感覚です。

 

なので、魚の強さに応答して自分のパワーも調整しているようなテイストを持ったロッドだと感じたんです。

 

このロッドは強いの?弱いの?どっち?

と当時困惑したのを覚えています。

 

「曲げて獲る」という意味

この不思議な感覚をもう少し詳しく紐解いてみると、このロッドが持つ「曲げて獲る」という性能はこういう事かな?というモノが少しだけ見えてきました。

 

まず、このロッドはティップからベリーにかけて非常にしなやかであり、シャープに気持ちよくキャストが可能です。

キャストが楽しくなりますね。例えるならムチのような感じです。

かといって、キャスト後の復元力も高く、程よく張りもあるので、決してただの中弾性ロッドでは無いと思います。

 

そして、この「しなやかさ」というのは、魚の引きに対してよく追随する事にも繋がっていて、結果的に小さな魚の引きでもロッドがよく曲がり、そのファイトを楽しめるようになっていると思われます。

これが良く曲がるロッドとか、魚とのやりとりを楽しめるロッドとか言われる所以ですね。

 

要は、小さな魚を掛けた場合、ブランクのうち、しなやかな上半分(ティップ~ベリー)の部分で釣っている感覚です。

 

しかし、大きな魚をかけた時には様相が異なります。

ティップからベリーが大きく曲がった時、ベンディングの支点がグッと下がって、バットが作用し、ロッドがパワフルになっていきます。

そして、このロッドのバットが持つ特有の粘りと復元力が働いて魚の引きを吸収しながら寄せられるイメージです。

グングンと竿先が曲がることによって魚の抵抗を感じならも結果的に楽に魚が寄ってくるのですね。

 

その結果、尺クラスのメバルも楽に捕れる訳です。

 

どんなロッドでも、大物を掛ければベンディングの支点が下がるのは同じですが、このロッドはバットが作用した時の粘りや復元力の設定が抜群であると言えそうです。

 

つまり、ロッドを大きく曲げ込んだ時、このブランクの最も美味しいポイントであるバットの粘りや復元力が初めて発揮される。

言い換えると、ロッドを大きく曲げ込んだ時に、そのロッドが持つポテンシャルが最大限に発揮されるように設計されているのではと感じました。

 

そして、これが

「曲げて獲るロッド」

の真意ではないかと私は感じました。

 

つまり、曲げて獲るロッドの正体は、しなやかでよく曲がる上半身(ティップ~ベリー)と、粘りと復元力のある下半身(バット)で構成されたブランクがベースになっているんだと思います。

 

おわりに

ブルーカレントTZ/76を使用してみた感想としては、このロッドはヤマガロッドが持つ「曲げて獲る」という性能や意味を感じられるロッドだと思います。

 

すなわち、

しなやかなティップやベリーが曲がることで魚の引きに追随しながらも、大きな魚が掛かると、粘りと復元力のあるバットが作用して寄せるといった性能を持ったロッドです。

 

・しなやかで気持ち良くキャストできる。

・大物にも負けないバットパワーがある。

・でも、決してパワーロッドではなく、小物でもロッドがよく曲がり、その引きを楽しむことができる。

 

いうならば、ルアーフィッシング本来の楽しみを感じさせてくれるロッドではないでしょうか。

 

おそらく、シチュエーションによっては、このロッドでは獲れない魚も居ると思います。

最近のライトゲームのトレンドとなっている感度に全振りしたようなロッドや、大物専用のパワーロッドといった釣果を最優先とした尖った性能のロッドにはかなわない部分も当然あります。

 

しかし、これらが持ち合わせていない「趣き」や「懐の深さ」みたいな味わいが感じられるロッドではないかと思いますね。

 

最後までお読み頂きありがとうございます。

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コメント

  1. Nob より:

    なかなか難しいテーマですね。
    パームスのデザイナーが
    昔言ってたごとく
    【ロッドは曲がる事によって機能する。】
    これはバランスよく曲がって、いなして、バットまで曲げるとトルクが出てくるって事ですよね。

    という事は、
    初心者に向けてのメリットはバレにくい。というのと、掛かっても焦りにくいという点です。

    デメリットは
    一般的に向かい風での飛距離が出しづらい。
    アワセが効きづらい
    理解していないと、弱い竿と勘違いされる。

    この辺でヤマガはアンチもファンもいるのだと思います。

    アワセは斜め上にアワセてストローク稼いだり、フックにひと工夫したり。

    ファイト時は竿尻をサカナの方に向けるイメージで思い切って曲げてやれる

    そんな人はすごくメリットの多い竿だと思います。

    唯一の弱点は、足元での大型ヒット。
    曲がる分、
    瞬間で潜られるんですよね。
    何事も一長一短ですね。

    • Nobさん

      コメントありがとうございます!
      まさしく曲げて獲るロッドのメリットとデメリットの的確で分かりやすい説明。
      とてもありがとうございます!
      やはりロッドは一長一短という表現が非常に適切で、結局は自分のフィールドや求めるものによって良いロッドの基準というのは変わるものでしょうから、ロッドの良し悪しでは無くて「合うか合わないか」ですよね。
      そして、バラシが少ないが大型に潜られる等の性能のトレードオフの関係がある中で、自分がロッドに対してどういった性能を最優先とするか、何を捨てて何を取るかだと思いました。