えー、今更感もありますが、
以前の記事で、17セオリーとLTコンセプトの18カルディアを比較してみて、ふと思ったことがあります。
17セオリーとLTコンセプトのリールって何が違うの?
ここ最近、ダイワリールばかり使用している私なのですが、このことについて少し考えてみました。
17セオリーはLTコンセプト?
ダイワHPより
リアルフォー機である17セオリーとLTコンセプト機である18カルディアを比較してみると、
軽さ:17セオリー>18カルディア
タフさ:17セオリー≒18カルディア
となり、さらに、
18カルディアのボディの17セオリーと同じ形状です。
また、18カルディア、18フリームスともにハンドルは17セオリーと同一規格です。
つまり、17セオリーはライト&タフを一年前から実現している訳ですね。
ですから、17セオリーはLTコンセプト機と何が違うの?と私は思ったわけです。
ストラディックCi4+に対抗?
シマノHPより
17セオリー発売当初は、シマノがストラディックCi4+という最軽量リールを発売していたこともあり、これに対する対抗馬として同価格帯のセオリーを投下したと言われることが多い印象でした。
比較すると以下のようになります。
ストラディックCI4+:C3000HGM・・・195g
セオリー:2510PE-H・・・190g
定価はともに31,000円。
まさに、ストラディックCI4+ VS 17セオリー
という構図が出来上がった訳です。
17セオリーはLTコンセプトの試金石だった?
セオリーが出た当初は、ダイワリールで最軽量リールでした。
イグジストをわずかですが凌いじゃったんですね。
これはメーカー側からすれば、本来ならばやってはいけない事ですよね。
軽さが売りだった自社のフラッグシップをミドルクラスが凌駕してしまったのですから。
要は、イグジストの武器を喰ってしまったわけです。
極端に言えば、シマノが17年に発売したミドルクラスのサステインが、巻きのシルキーさでステラを凌いだようなものです。
メーカー側からすれば、普通の開発者は技術的に可能であってもそんな事しません。
しかし、ダイワはそれをやった。
なぜ?
今考えると、当然ストラディックCI4+に対する対抗馬の意味もあったでしょうが、17セオリーの特徴を考えると、その設計思想はLTコンセプトそのものです。
なので、17セオリーの役割には、翌年に予定していたLTコンセプトが市場に受け入れられるかの試金石の意味もあったのではないでしょうか?
ライト&タフはあくまでもコンセプト
人類がリールという道具を手にして以来、すべての釣り人が抱いてきた夢。
それはLIGHTかつTOUGHなリールを手に入れることではないか。
2018年、DAIWAが新たに掲げるコンセプトは、LIGHTとTOUGHという矛盾する二つの形容詞の間に「&」を成立させた。軽量化と回転耐久性を両立させるDAIWAの宣言であり、新しいDNA。
私たちはLIGHTそしてTOUGHなリールで、歴代の釣り人たちが見てきた夢を叶えていく。ダイワHPより
このように、LTコンセプトのリールは、「軽くて強い」という印象がダイワのマーケティングによってユーザーに植え付けられたと思うんです。
でも、LTコンセプトってただの設計思想なんですよね。
例えば、私がライトタックル用に購入した18フリームスも別に剛性がある訳ではありません。
確かにギヤは強くなりましたが、ボディは従来素材のDS5ですので、ギヤより先にボディやローターが歪んでくるでしょう。
軽さに関しても、リアルフォーの17セオリーで既にLTコンセプトのリールと同等の軽さです。
LTコンセプトで採用されている超肉薄スプールにすれば、セオリーはさらに軽量化していたでしょう。
つまり、新たなコンセプトのために、軽さや剛性のために何が新しい素材だったり形状だったりを採用している訳ではなく、既存の技術で設計思想を変えたということです。
LTコンセプトを正しく理解する
ダイワHPより
LTコンセプトになって何が変わったのかを、我々ユーザーは正しく理解する必要がありそうです。
たとえば、ダイワ汎用スピニングリールのスタンダードモデルであるカルディアでみていくと、18カルディアが14カルディアから変更が加えられた点は、
①重量
②ギヤの剛性
③ドラグシステム(ATD)
④スプールエッジ形状による飛距離UP
の4点が大きな違いかと思います。
一方で、変更がないものは、
①ボディやローターの素材
②ベアリング数
です。
変更になったドラグシステムは、現行ドラグに変更になっただけですね。ATDは今やエクセラークラスにまで採用されていますので。
スプールは、ロングキャストABSに変更になり、従来のスプールよりも飛距離が伸びたとされています。
しかし、ここで忘れてはならないのが、「スプール径」です。
一般に、スプール径は大きいほど飛距離が伸びますが、LTコンセプトになって同番手ではスプール径を小さくなっています。
たとえば、同じ2000番手では、LTのリールの方がスプール径が小さく、飛距離が減少します。
このスプール径の変更による飛距離の減少という問題を解決するために採用したのがロングキャストABSであり、スプール径の変更で飛距離が減少した分をスプールの形状で補ったというわけです。
したがって、実釣レベルにおいては、ダイワが宣伝しているような飛距離は伸びていないはずです。
以上から、14カルディアから18カルディアへモデルチェンジした際の大きく変更点を簡潔に説明すると、
ということになろうかと思います。
まとめ
ストラディックCI4+の対抗馬として発売された17セオリーですが、セオリーの特徴はLTコンセプト機そのものであり、ダイワとしては翌年に予定していたLTコンセプトのリールが市場に受け入れられるかの試金石の意味もあったのではないかと思います。
また、LTコンセプトは設計思想であり、軽量化と剛性化を両立させたリールという事のようですが、その真相は、カルディアの新旧モデルで比較してみると、
「ギヤの剛性を上げて、スプールとハンドルを軽量化した。スプール径が小さくなって飛距離が落ちた分はロングキャストABSで補っている。」
という事かなと思います。
このあたりを我々ユーザーは正しく理解して使う必要があるのかなと思います。
ダイワのリールはとても好きですし、物も良いと思うのですが、煽ったフレーズによって過剰な期待を抱かせる傾向もあると思います。
マグシールド然り、LTコンセプト然り。
そして、過剰に期待させたために、現実とのギャップで「マグシールドはクソ」といった意見で離れていくユーザーがいるわけですよね。
メーカーとしては、もちろんマーケティングも重要でしょうけど、我々ユーザーに対して正しく情報を伝えてほしいと思います。
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